サイト売買にも詐欺がある!?実際にあった事例と失敗しないためのポイントを解説

サイト売買にも詐欺がある?

Webサイトの売買においても、その構造を突いた詐欺がいくつか存在します。
買い手側でも売り手側でも詐欺の対象となる場合があり、どちらの立場でも気を付けなければいけません。

例えば、買い手側では嘘の情報からサイトを売りつけられたり、売り手側の場合はWebサイトを持ち逃げされたりといったことがよくある事例とされています。

「どうして詐欺に遭うのか」という理由としては、ちゃんとした仲介プラットフォームを利用せずに個人間で直接取引を行ったり、購入予定のサイトをきちんと調べなかったことが主に挙げられます。
サイト売買は実態として「事業承継(M&A)」に当たるものなので、デューデリジェンス(調査)を綿密に行わなければいけません。

では、実際にどのようなサイト売買における詐欺があるのか、例を基に解説し、そのうえで回避するための方法を本記事では解説していきます。

【買い手側】サイト売買詐欺の例

まず、買い手側が被る詐欺の例を紹介していきましょう。
買い手側の詐欺被害としては、主に次のようなものが挙げられます。

  1. 嘘の情報を伝えられて、購入してしまった
  2. リスクがあるWebサイトだった
  3. 問題のあるコンテンツだった

では、具体的な内容について、解説していきます。

虚偽の売上やアクセス数だった

詐欺の手口として、嘘の情報から騙されてしまうということはよくありますが、サイト売買においては「売上」や「アクセス数」が偽られていることがあります。
サイト売買のプラットフォームへ掲載される情報は基本的に売主の自己申告によるもののため、掲載情報がすべて正しいものとは限りません。

また、季節要因やブームが大きく関係している商材・ジャンルを運営している場合は注意が必要です。
掲載時の収益やアクセス情報が偶然良い結果のものであり、買い手が運営し始めてすぐにブームが終わって収益が激減してしまったということが起こると、トラブルにつながることがあります。

季節などによる変動があって売上やアクセス数が変わってしまうということは、虚偽の情報ではありませんが、このような買主にとって不利な情報・リスクをあえて隠しているといった可能性も考慮する必要があります。

購入する際には真偽を確かめるほか、その情報すべてが正しいと思わないように考えておくことをおすすめします。

ブラックハットSEOで上位表示されているサイトだった

「検索エンジン最適化(SEO)」には「ブラックハットSEO」と「ホワイトハットSEO」という2種類の手法が存在します。

ブラックハットと呼ばれるものは、多くの自作自演したサテライトサイトから被リンクを集めたり、本来ユーザーが目にするコンテンツ以外に隠しテキストを入れたりといった、検索エンジンのルールの穴を突いて検索順位を上げる手法になります。
対して、ホワイトハットSEOは正しくコンテンツを作成し、ルールにのっとって正当な方法で順位を上げることを指します。

SEO対策を行う際には両方の手法を活用することが多いですが、ブラックハットSEOの手法のみで上位を獲得していた場合、検索エンジンのコアアルゴリズムアップデートで大きく影響を受けて大幅に順位が下落したり、ペナルティを受けて検索結果に表示されなくなったりというリスクが生じます。
またブラックハットSEOの手法には、後述する「コピーコンテンツ」を用いたものもあり、コンテンツを別サイトで使いまわすこともできない場合があります。

コアアルゴリズムアップデートやペナルティについては、いつ起こるかわかるものではありませんので、たとえブラックハットSEOで運営しているサイトとわかっていたとしても、購入することは避けた方が良いでしょう。

記事の多くがコピーコンテンツだった

コピーコンテンツ」とは他人が運営しているサイトのコンテンツをすべて・もしくは大半をコピーして作ったコンテンツを指します。
コピーコンテンツは検索エンジンからも良い評価を基本的に得られるものでなく、時にはペナルティの要因にもなります。

また、サイト運営者から許可をもらって配信してもらっている「キュレーションメディア」であっても、コピーコンテンツに該当するため、そのほかにユーザーにとって有益な機能・情報がなければ、検索上位のメディアであっても順位が下落する可能性はあります。

そして、ペナルティを受けた・順位が下落したからといって、コンテンツだけを流用することもできません。
コピーコンテンツであるためにコンテンツの質自体も低く、他のサイトに移し替えるメリットもないどころか、またペナルティや順位下落のリスクを抱えるデメリットを生むだけです。

購入したいサイトのコンテンツがコピーコンテンツであるかどうかは、サイトを見せてもらうことができれば、外部ツールである程度調べることができますので、一度コンテンツを見せてもらうようにしてください。

ドメインが過去にペナルティを受けていた

上述したブラックハットSEO施策が非常に多かったり、誤った情報を発信していたりした場合、検索で表示させないためにペナルティを受けることがあります。
このペナルティは「ドメイン」を対象に行われるもので、解除は可能ではあるものの、一度ペナルティを受けたドメインは今後もペナルティを受けやすく、また順位の改善も非常に難しいです。

ドメインが過去にペナルティを受けたかどうかについては、Googleの「サーチコンソール」にドメインを登録して調べる以外に確認方法がなく、登録するには所有権の証明が必要になります。
サイトを購入し、所有権を得た状態でサーチコンソールに登録してみたところ、一時的に流入がまったくない時期があったり、現状もペナルティを受けたままだったりという事実がわかることもあります。

このような場合は、ドメインを入れ替えるほかに対応する手段はありませんが、コンテンツの質が悪いことが問題でペナルティを受けたという可能性もありますので、基本的にはペナルティを受けたサイトを購入してはいけません。

なお、売り手側がサーチコンソールを利用していれば、閲覧権限を付与してもらって、ペナルティの有無を確認することが可能です。

そして、仲介プラットフォームを介した取引の場合は検収期間が設けられているため、その期間内にサーチコンソールへ登録して確認できます。
事前に確認したうえで、検収期間中にサーチコンソールに登録したところ、ペナルティ状態であることが発覚したという状況であれば、取引自体を破棄することもできます。

いくつかの方法でドメインのペナルティは購入前に確認することは可能ですので、必ず前もって行うようにしましょう。

【売り手側】サイト売買詐欺の例

買い手側のみが詐欺に遭うのではなく、サイト売買においては売り手側が詐欺に遭うこともあります。

売り手側は上述したような詐欺ではないことを証明する必要がありますが、逆にそのせいで買い手に騙されてしまうといったこともあります。
売り手にとって価値のあるものは、サイト本体であることはもちろん、運営に関するノウハウも含まれます。

それでは次に、売り手側に関する詐欺の事例について、見ていきましょう。

サイトを持ち逃げされた

Webサイトのログイン情報を渡した後に代金が支払われず、そのままログイン情報を変更されて乗っ取られてしまうといったこともあります。
このような詐欺は個人間でサイトの売買取引を行う場合に多く、代金の支払いとWebサイト運営の核となるログイン情報の受け渡しが同時に行うことができないために生じるものです。

逆に、買い手側もこの流れの中で詐欺に遭うリスクが存在します。
代金を渡したにも関わらず、ログイン情報が伝えられずに音信不通となって、費用のみ持ち逃げされてしまうといった被害に遭うこともあります。

このような理由から、お互いにサイトを持ち逃げされる・費用を持ち逃げされるというリスクがあり、仲介サービスを通さない取引では回避することは不可能です。

集客・収益化の方法などノウハウだけを取られた

実は購入検討者が競合サイトの運営者であり、集客や収益化に関する情報のみを聞き出されてしまったというのも詐欺被害のひとつと言えるでしょう。
もしノウハウを取られてしまった場合、競合のサイトでも同じ方法を取ったり、契約していた企業に営業をかけて割り込まれてしまったりといったことが起こると考えられます。

アクセス数などの数値に関してはそこまで影響はありませんが、例えばGoogleサーチコンソールでの獲得キーワードや流入が多いページの提出、固定費などで独自に契約している企業の情報などはあまり出すべきではありません。

あまりに交渉期間が長い・運営の核となる情報ばかりを聞き出そうとしてくるといった場合は、購入する意思がなく、ノウハウのみを盗み出そうとしている可能性が高いと思われますので、その際は交渉を打ち切ったほうがよいでしょう。

サイト売買詐欺を回避するための方法

買い手・売り手それぞれの立場でも詐欺に遭う可能性がありますが、回避するための方法もあります。

詐欺に遭う主な原因としては、調査自体が不足していたり、第三者による監視・管理がない状態であったりすることが関係しています。
また、万が一詐欺に遭ってしまった際のリスクヘッジを契約書に盛り込むことで、被害を抑えることも可能です。

仲介プラットフォームを使う

サイト売買については、個人間で直接取引を行わず、仲介プラットフォームを使用するようにしましょう。

理由としてはまず、仲介プラットフォームでは「エスクロー決済」が可能であるためです。
この仕組みにより、購入代金はプラットフォームの運営に預ける形となり、買い手のサイト検収が完了次第、売り手に代金が支払われることになります。

つまり、サイトと購入代金の同時受け渡しが可能となっているため、持ち逃げ詐欺を回避することができます。

掲載時にはアクセス数や月間利益などある程度の情報を記載することになるため、交渉が始まってから情報の開示を求められることは少ないでしょう。
掲載している数値が正しいものかどうかという証拠として提出することはあるかもしれませんが、交渉の初期段階にもかかわらず深い情報を聞き出そうとするなど怪しいと感じる場合は、交渉を打ち切ることもできます。

また、弁護士によるサポートがあるサービスであれば、契約書内にリスクを回避した条項を追加したり、本当に回避できているかの相談ができたりします。

このように、仲介プラットフォームを利用するだけでも多くの詐欺リスクを避けることが可能です。

その分、手数料が発生してしまうものの、詐欺に遭うリスクや損失を避けたいのであれば、基本的にはサイト売買サービスなどの仲介プラットフォームの利用をおすすめします。

外部ツールを使って調査する

買い手側の方法になりますが、もし購入したいサイトのURLなどが分かれば、外部ツールを用いて調査するのも良いでしょう。

サイトの流入状況や獲得ワード、使用されているドメインの質については「エイチレフス(ahrefs)」という分析ツールが特に便利で、多くの情報を見ることができます。

ただ、「ahrefs」は有料ツールであり、月額12,500円と高価であるため、個人の場合はMOZというマーケティングツール開発企業が無料で公開している「リンクエクスプローラー(link explorer)」というツールがおすすめです。
アカウント登録が必要なものの、ドメインパワーなどを知ることができるため、中古ドメインとして本当に質の良いものかどうかを確かめることが可能です。

他にも、サイトで公開されている記事がコピーコンテンツかどうかを調べる際には「コピーチェックツール」を活用しましょう。
コピーコンテンツディテクター(CopyContentDetector)」は無料で使えるコピーチェックツールの中でも使いやすく、連続性などさまざまな角度からの類似度を調べることができます。

掲載されている情報を鵜呑みにせず、気になった点が交渉段階でうやむやとなるようであれば、このように外部ツールでサイトの状況を調べることもリスク回避につながるという点は覚えておいてください。

取引相手を厳選する

仲介プラットフォームの中には、交渉相手のアカウント情報を確認できるものがあります。
この際、相手の「実績」については必ずチェックするようにしておきましょう。

特に売り手の場合、買い手のアカウントから実績を確認することで、これまできちんと取引を行ってきたのかどうかを確かめることができるため、有効な手段と言えるでしょう。
ある程度の実績があれば、今回も購入の意思があって交渉に臨んできたと考えられるため、実績の有無は重要です。

逆に実績がないアカウントであれば、情報だけを抜き取りにきた同業者かもしれないと注意して交渉を進めることができます。

ただ、慎重になりすぎてしまい、交渉すらされることがなくなってしまうといったこともありますので、買い手を厳選することに加えて、提示しても良い情報・提示してはいけない情報を整理しておくのも良いかもしれません。

安心して利用できるサイト売買プラットフォーム

これまで解説してきた内容から、安心して利用できるサイト売買プラットフォームとしては「ラッコM&A」「サイトキャッチャー」「Sitestock」の3つが挙げられます。
いずれも成約実績が多く、また運営期間も長いサービスであるため、それだけ質の良いユーザーが集まっていると期待できます。

基本的には、実績がある程度あり、運営母体がしっかりしているサービスを使うのが良いでしょう。

ラッコM&A


売却手数料購入手数料取り扱い
無料成約額の5%
(最低55,000円)
Webメディア
アプリ
アカウント各種
Webサービス

成約数No.1の人気サイト売買サービス!

非常に安い手数料に加え、掲載数や掲載される種類の多さで人気の高いサイト売買サービスです。
成約率もNo.1と、実績も申し分ないため、高い安心感があります。
また、リーガルサポートなど法的な点でのサポートも充実しているため、詐欺やトラブルから回避しやすいというのも利点です。

サイトキャッチャー


売却手数料購入手数料取り扱い
【直接】成約額の3%+税最低紹介手数料55,000円
【仲介】5%~10%(最低成果報酬22万円)
【直接】成約額の3%+税(最低紹介手数料55,000円)
【仲介】5%~10%(最低成果報酬22万円)
Webメディア
Webサービス
一部SNSアカウント

サイト売買サービスの老舗!安心の実績

2005年からサイト売買サービスを運営している「サイトキャッチャー」はこれまでの実績から安心して利用できるサービスのひとつです。
仲介の場合は手数料が大きくなってしまいますが、詐欺を回避するのであれば、多少コストがかかっても仲介交渉を利用しても良いかもしれません。
掲載数も少ないわけではなく、特に大規模メディアの取引が多く見受けられます。

Sitestock


売却手数料購入手数料取り扱い
【仲介】成約額税抜の10%+消費税
【直接】成約額税抜の3%(税込)※最低手数料:55,000円(税込)
【仲介】成約額税抜の10%+消費税
【直接】成約額税抜の3%(税込)※最低手数料:55,000円(税込)
Webメディア
アプリ
アカウント各種
Webサービス

売買実績2,000件以上!コンサルティングも対応

「Sitestock」も2007年からの運営と古く、サイト売買サービスのみならず「サイトM&Aコンサルティング」も請け負っている企業になります。
どちらかというと大規模な取引に適したサービスですが、数十万円規模のメディアの売買も行われています。
また、スマホアプリの取引もあり、取り扱いの種類も多いのが特徴です。

サイト売買詐欺を回避するには、十分な注意が不可欠

きちんとしたサイト売買サービスを利用したとしても、調査が不十分であれば、詐欺に引っかかってしまう可能性もなくはありません。
最終的には自身での判断が必要となるため、慎重かつ入念に注意しておくべきです。

そのためには、購入したいと考えるサイトのデューデリジェンスをしっかりと行い、外部ツールなどでサイトの価値や提示価格・条件が本当に見合っているかを調べるようにしましょう。

また、売り手となる際にも、自分のサイトを少しでも良く見せようとしがちですが、そのせいで逆にいつまでも売れないといった状況になってしまうことも少なくはありません。

だからといって正直に情報を伝えすぎてしまうと、ノウハウを奪われてしまうといったリスクもありますので、買い手・売り手どちらにせよ、十分に注意してサイト売買に臨むようにしてください。

関連記事

中古ドメインの正しい選び方は?「中古ドメイン販売屋さん」で良いドメインを値段以外で選んでみた

中古ドメインはSEO対策を行う際に有効な方法のひとつとして有名です。ただ、適当に選んでは期待できる効果が得られない場合もあります。本記事では中古ドメインの選び方から、ラッコ株式会社の「中古ドメイン販売屋さん」で実際に売られているドメインを用いて、例となるドメインを紹介します。
2024年3月19日